2024年12月27日金曜日

2024仕事納め

 





2024年も早いもので、年末となりました。

今月中旬の年の瀬に無事岐阜の家の上棟をすることができました。

これまで僕にできる限りの想定と準備をしたつもりでしたが、その甲斐と応援に来てもらった大工仲間たちの慣れた仕事ぶりによって、想定した以上に順調に工事が進み、その後の予定であった工事まで行うことができました。

年内になんとかサッシまで取り付けられればと考えていましたがそれ以上に進み、屋根及び外壁下地も一定の所まで施工することが出来て、一安心で年を越すことが出来そうです。

上棟日にはお客さまも来ていただき、さまざまなお気遣いの元、最高の上棟だったと思います。


最後は工房もいつも以上に室内の整理やほこりを飛ばして、気持ち良い仕事納めとなりました。

本年も初めから何かと忙しくさせていただき、なおかつお客さまにも非常に恵まれていたなと改めて思い返します。

そんな中でも僕自身の趣味でもあるトレイルランニングも例年以上に打ち込むことが出来ました。仕事をいただけるありがたさとの相乗効果だったかなと思います。

来年も全力を尽くして頑張りたいと思います。

UTMBシリーズ100マイルレースのゴール
12月初旬タイ チェンマイにて

2024年11月14日木曜日

岐阜の家着工







現在岐阜市にて順調に工事が進んでいます。
現場では基礎工事、工房では造作材の加工、製材所では構造材の打ち合わせが始まっています。
最近、有難い縁があり今までもつながりの強かった東白川村ですが、さらに繋がりができて東白川村製材組合に見学に行ってきました。
東白川村は森林管理に非常に力を入れていて、国際基準の品質管理認証FSCの材料が多くあります。山の70%は植林でそれらが流通することによって、山の樹木が循環し、山の環境も良くなり地場産業も成り立つということもあり、今回製材組合の工場長からのお話でより意識が高まりました。
元々は効率よく生産できる柱材のみを作っていた同製材組合ですが、現在は全ての構造材に対応するようにシフトしており、それによって今までなかなか流通させられなかった桧材を構造材として多く流通させることによって、山の環境、産業に寄与するという取り組みです。

というわけで今回の岐阜の家も構造材の梁類は杉で予定していましたが全て東濃桧を使えることになりました。
なんとも嬉しい変更です。
 

2024年10月28日月曜日

いつまでも勉強



一級建築士となって15年ほどが経ちましたが、本当にいつまで経っても自分の勉強不足を痛感して落ち込むことがあります。
住宅業界も地球環境保護であったり、安全性の観点から状況はどんどん変わって来ています。
最近求められる性能の一つに耐震等級というものがあります。建築基準法でも求められる耐震性能以上に確保することで、より一層の安全安心を担保するものですが、現在工事着工中の住宅でも当たり前のように、耐震等級3、断熱性能6、を取得するつもりで設計を進めていましたが、結論耐震等級3は取得が厳しいという現実にぶつかりました。
ここが本当に僕自身の勉強不足に尽きます。
耐力壁などの配置計画は十分ですが、最近オリジナルでやっている大空間を実現させる鋼製ブレスを使った梁が、どうにも計算に入れる土俵に無いということです。
ある程度教科書的な工法、使用建材による設計になってないと計算にかけられない(選ぶ数字がない的な感じです)のです。
内容は専門的になり、長くなってしまうのですが、何しろ非常にショックでした。
こんなことも未だに僕は知らなかったのかということに凹みましたが、これを機にどういう理屈、計算方法なのかもう一度勉強しました。
お客さんには本当に申し訳ない気持ちですが、決して弱い構造でないことは確信を持っています。
そしてここで得た知識を今後の設計に生かし、僕がオリジナルでやっている工法も少し広く海外も見渡せば、そう珍しいものでもないので、何か突破口があるのではないかと今後の課題でもあります。
ただこの辺りの計算基準は大手建材メーカー、大手ハウスメーカー主導で、建主というよりは業界がやりやすい仕組みにお客さんが付き合わされているように感じてしまい少し憤りを感じるのが正直な気持ちです。
 

2024年10月4日金曜日

自然環境から守る建築

 この夏、少し長くお休みをいただいて家族で北海道旅をしてきました。

長女が小6、次男が年長、こんなことをできるのも最後かもしれないとの思いから計画していました。2週間ほど、車で移動、宿は基本的にキャンプのスタイルです。

行きは本州を陸走、青森よりフェリーで函館へ、北海道をだいたい反時計回りするような感じで小樽よりフェリーで新潟(妻実家)へ帰ってくるというプランです。

さまざまな素晴らしい景色や、野生動物にも会うことが出来ました。

しかし今回は建築に関連した感想として思ったことを書きたいと思います。

毎日移動し、テント泊。遊牧民状態です。その間にも天気や気候も変化します。

函館と知床ではまるで気候が違います。ちなみに知床では8月なのに最高気温20℃、最低気温12℃なんて日もありました。人が感じる快適な空気環境には温度だけでなく湿度が大きく関係します。

現在使っているキャンプ用のテントも本当によく出来ていて、軽量で丈夫で組立撤収も容易です。室内の空気を通風させるベンチレーションもよく出来ています。

そんな良品なテントでも寝室となる室内は湿度が上がり、それに加えて気温の変化があり、暑くて寝苦しい日もありました。一方低温多湿もまたイマイチなのです。

一番思ったことはエアコンって最高だなってことです。ただ温度を調整するだけでなく湿度も調整してくれる空調というのはテント生活を思うと天国です。

ましてや建築では断熱もされ、キッチンや浴室、トイレもあります。本当に当たり前すぎることなんですが、その快適さは自然環境の中ではあり得ません。

極端な山岳や、強風の沿岸のような環境じゃなくても、どこにでもある自然環境というものでさえ丸腰の人間が生きていくにはあまりに厳しいんだな、と思わずにはいられませんでした。

当たり前にある建築ですが、そこに供給されるエネルギーも含めると本当に様々な技術の結晶で、それらに守られて生きていることは間違いありません。

安心安全な生活という土台の上で、初めて+αの人生を考えることができるんだと思いました。

子供たちにとっても何かこの経験が残ってくれたら嬉しいです。

知床五湖




マッコウクジラウォッチング



釧路湿原
テント組立撤収も日に日に早くなります
えりも岬






僕は毎日のように早朝、いろんな場所をランニングしました。




2024年9月11日水曜日

詳細図面作成

 


近々着工予定の住宅の図面作成中です!

工事契約をいただきいよいよ着工に向けてですが、ここからこれまでの見積もり図面をさらに施工できる状態まで図面を全て描いていきます。

これが楽しくもあり結構辛い・・・。

ここからは基本的に「後で考えましょ」はやらないように、まさに「今考えるとき」といった感じで内外装の納まりや構造的なことから設備のことまで考えながら描いていきます。

大変ですがそうすることでモヤモヤした部分が一つ一つクリアになっていきます。

一方で、よく考えたら納まり上問題があるといったことも出ます。

悔いのないよう考え抜いて進めていきたいと思います!

2024年8月6日火曜日

木造ガレージ





木造トラスのガレージです。
サイズは6m*6mその空間に柱はありません。しかも間口いっぱいのシャッター開口。
こうなってくると鉄骨が無難かなという設計のスタートになります。僕も最初はそんな提案をしていました。
ただ鉄骨で作ると木造よりコストも割高になりますし、あまり個性的な空間にもしづらい、後々も改造もしづらい。やはりなんとか木造でやれたらと考え直し、得意の特注鋼製ブレスでトラスを作り、イカツイ梁を使うことなく軽やかに大空間を作りました。
これは今後も住宅でも力を入れていきたい分野です。
天井壁にもしっかり断熱材を入れることもでき、内装もできました。住宅に近いくらいの性能にもなったかと思います。喜んでいただけて本当によかったです。楽しい現場でした。
ちなみに壁に特製ブラケットで飛び出してる謎のステンレスバーは室内物干し竿です笑

写真を見返すと塗装する前のナチュラルなカラーもなかなか良かったな。
 

2024年7月29日月曜日

価格を出すということ

 



ご要望をお聞きして一つのプランをなんとか考え抜き提案させていただいた後に、さらに新たなご意見等のやりとりを繰り返し、おおむね固まったところで設計契約をしていただき、いよいよ価格を出す見積り作業に入ります。

最初にプランを提案する時点でご予算に合わせたプランを考えているつもりですが、やはり見積りをしないことには実際の価格は分かりませんので、やや気持ち的にも重い作業となります。

最初は往々にしてどちらかというとご予算よりご要望を目一杯盛り込んでいることが多いのではたしてどうか・・・ということになります。

一方で、一度価格を出すことによって、今後はより一層現実味を増した家づくりにステージが上がることになりますので超重要なフェーズです。

ご要望が実現するように気を抜かず進めたいと思います。

2024年7月22日月曜日

WEBサイト建て替え


非常に腰が重かったのですがWEBサイトを新しくしました!(WEBサイト建て替え工事)
全ては言い訳になりますが、ここ一年ほどサイトの更新も疎かになりつつ、Blogの更新もそれに伴って・・・といった感じに。
日々いろんなことがありますが、情報発信を完全に怠っておりました。
そして今回を機に今までよりは更新し易い環境になりました。
設計・施工を一貫してやっておりますが、実はWEBサイト自体も僕たちの手作りです。
写真も全て僕たちが撮影したものなので、サイトの内容は極めて等身大の佐口建築製作と思っていただけたら幸いです。



 

岐阜の家さらに終盤

あまりに長かった家具類工事もついに終わりを迎え、現場にて取り付けも完了し、合わせて設備器具の取り付けも終わり、ほぼ完成に近づいてきました。というか先日完了検査及びフラット35検査も無事に終わったので住宅としては完成していることになります。 あとは最終チェックやクリーニングとなりま...